お世話になっております。
鍼灸師の前田です。
前回のブログで自律神経の「交感神経」と「副交感神経」についてのお話を少しさせて頂きましたが、今回はそちらをご説明させていただきます。
恐らく日常生活ではあまり聞かないような言葉だと思いますが、普段起こる事象がこれら2つの神経が関与していたり、また睡眠の質においても重要となるため、是非最後までご覧頂けたらと思います。
それではいきましょう。
ではまず、
・自律神経とは
自律神経とは、自分の意思とは関係なく働いている神経のことを指します。
我々が生活しているときに、呼吸や、心臓の収縮・拡張といったことは無意識下で行われていると思います。
このように勝手に身体で調整してくれている神経を自律神経と言います。
・自律神経の種類
自律神経には、大きく分けて「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。
それぞれ交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキといったような働きがあり、この2つの自立神経がバランスを取り合うことで、身体の様々な部分のバランスが保たれています。
これが崩れてしまうと、よく聞くのが「自律神経失調症」です。
自律神経は全身の様々な臓器や器官に分布しているため、自律神経バランスが崩れると全身に症状が現れます。
・「交感神経」「副交感神経」 2つの神経の役割
先ほども少しお話をしましたが、交感神経と副交感神経は、よくアクセルとブレーキに例えられます。
交感神経は身体を「興奮状態」にし、副交感神経は身体を「リラックス状態」にします。
例えば、スポーツをしている時を思い出してみてください。
この時は「交感神経」が優位となり、「副交感神経」の働きは弱まります。
心臓がバクバクとして血圧が上昇し、瞳孔は見開いて身体は硬直します。
このように、心機能が高まって動悸が起きたり脈が早く(頻脈)なったり、呼吸も早くなったりし、筋肉は緊張してこわばります。
その一方で消化は抑えられ、胃腸の働きや唾液分泌などが悪くなります。
なので、あまりスポーツ中にトイレに行きたいなどは思わないのではないでしょうか?
ご飯を食べてすぐに動くとトイレに行きたくなるのは別物です。
あれは身体を動かすことで、内容物が胃腸を刺激してしまうことで起こるものです。
ランニングをしておられる方は想像しやすいと思いますが、スポーツ中に昼寝をしている時のようなサラサラとした涎は出ないのではないでしょうか?
どちらかというと、粘々した涎が出るのではないでしょうか?
副交感神経が優位な場合はその反対だとお考えください。
リラックスしている状況を考えると、その役割が理解しやすいです。
例えば、ソファーでゆっくり寝そべっている時を想像してみてください。
活動をしていないので、酸素や栄養などは身体はそこまで必要ではありませんので呼吸はゆったりとして、脈も遅くなります。
加えてリラックスをしているときは、食べ物の消化が活発となります。
唾液の分泌は増えて、胃腸の働きも活発になります。
そして脳の覚醒度が落ちていき、眠気が感じられることもあります。
このように交感神経と副交感神経は、それぞれ正反対の作用があり、身体の状況に合わせて自動的に調整されて、バランスを取り合っているのです。
では他にどのような影響があるのかを表にしてみました。⇩
交感神経 | 器官 | 副交感神経 |
心収縮力が上がる(脈が早くなる) | 心臓 | 心収縮力が下がる(脈が遅くなる) |
拡張する | 気管 | 収縮する |
呼吸を促進する | 肺 | 呼吸を抑制する |
収縮する | 末梢血管 | 拡張する |
消化が抑制される | 胃腸 | 消化が促進される |
拡大する | 瞳孔 | 縮小する |
唾液分泌の減少 | 唾液腺 | 唾液分泌の増加 |
発汗を促進する | 汗腺 | (作用なし) |
弛緩する(尿を貯める) | 膀胱 | 収縮する(尿を出す) |
といったように様々な変化が見られるのですが、この中でも注目して頂きたいのが、「末梢血管」という部分でして、これは育毛をしていく上で非常に重要となります。
髪を育てるのに必ず必要なのが、「栄養」となります。
そしてその「栄養」を運んでくるのが、「末梢血管」となるわけです。
そして、交感神経が優位の時に血管が「収縮する」というのは、流れが悪くなると捉えて頂いて結構です。
反対に「拡張する」というのは流れが良いとお考え下さい。
つまり、髪にしっかりと栄養を与えるためには「副交感神経を優位にし血管を拡張させる」ということが大事だとわかって頂けると思います。
さらに、自律神経は睡眠においても重要な役割がございます。
以前お話しましたが、睡眠には深い眠りと浅い眠りがございます。
深い眠り=副交感神経が優位
浅い眠り=交感神経が優位
そして、髪を育てるための栄養素は「深い眠り」の時に分泌されます。
自分が深い眠りなのか、浅い眠りなのかが分からないという方もおられるのではないでしょうか?
いきなりですが、夢を見ますか?
よく夢を見るという方は「浅い眠り」だとお考えください。
では次に、質の良い眠りにするために大事なことをお話したいと思います。
先ほどもお伝えしましたが、深い眠りの際は、「副交感神経」が優位になる必要があります。
逆に考えると、交感神経が優位な状態では深い眠りに入ることは困難です。
そのため、寝る直前までスマートフォンを操作していたり、就寝直前に晩御飯を食べたりなどをすると
身体は交感神経が優位に働き、自分ではしっかりと寝ているつもりでも、身体の内部的には起きているという状態になります。
食事は就寝の3時間まえには済まし、入浴も2時間前には終わらせることが重要となってきます。
そして、ゴールデンタイムは22:00~2:00となります。
もちろんサービス業の方や、普段帰るのが22時になるという方は難しいとは思います。
1人では解決が難しい問題だと思います。
しかし
鍼灸治療は自律神経のバランスを整えるという面で非常に効果的です。
詳しい効果や、施術例はまた別ブログにて解説いたします。
皆様の中には、寝ても寝ても疲れが取れないという方も多いのではないでしょうか。
それは「次の日も仕事だ」、「会社に行きたくない」といったストレスや、アルコールの摂取や喫煙、カフェインの摂取で脳が覚醒してしまっているために、
交感神経を優位にしてしまい睡眠の質を下げているいるためです。
また、子供の頃に次の日が「遠足」となると、興奮して寝付けなかったという思い出はないですか?
こちらも同様に交感神経が優位になると起こるものなのです。
逆に休日で、「ゆっくり寝れる!」と思った日ほど早く目が覚めたことや、いつもの平日と変わらずの睡眠時間なのにも関わらず、身体のだるさをあまり感じなかったりなどのご経験はございませんか?
そんなん気持ちの問題だろと思うかもしれませんが、これはゆったりと出来るということで体内では副交感神経が優位となことで、リラックス状態になり、しっかりと深い眠りに入れているということです。
いかがでしたでしょうか?
今回お話させて頂いたこと以外にも自律神経というのは我々の身体のあらゆる部分で影響を及ぼしています。
育毛において、睡眠というのは非常に重要な治療の1つになります。
今現在で薄毛、細毛で悩んでおられる方は、睡眠という毎日行う行為で少し意識が変わるだけでも、脱毛の進行を抑制できるかもしれません。
またなにかございましたらご連絡お願いいたします。
前田
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