育毛鍼灸

育毛ってどのくらいで効果が出るの?

お世話になっております。

鍼灸師の前田です。

今回は皆様からの質問にお答えしたいと思います。

早速いきます。

その質問とはタイトルにもある通り、

「育毛ってどれくらいで効果がでるの?」というものです。

確かに「どれだけの期間しないといけないのか」「目処が欲しい」というのは当然の疑問だと思います。

今までこの話題に触れてこなかったのには、理由があります。

その理由は

「一概には言えない」

これに尽きます。

よく広告などには、「1ヶ月で産毛が生え、3カ月後にはしっかりとした髪の毛が!」みたいなことが書かれていますが、正直「うー--ん」という感想です。

もちろん我々人間は性別も違えば、住む場所や、仕事内容、睡眠時間、食事の回数、食事の内容など十人十色です。

もっと言えば、筋肉の大きさや、血管の太さなど探せばキリがないほど違います。

それなのに育毛の効果発現は一緒というのは僕は口が裂けても言えません。

そのため下記にてご説明させていただきますが、効果の実感は人によるということを頭に入れていただいたうえでお読みいただければ幸いです。

「一概には言えない」

これは上述した生活環境の違いもありますが、もう一つ重要なことがございます。

それが、ヘアサイクル(毛周期)です。

今からヘアサイクルのご説明をします。

・ヘアサイクルとは

髪の毛は新たに生えて成長し、その後抜け落ちてまた新しい毛が生えるというサイクルを繰り返しています。

この周期はヘアサイクル(毛周期)と呼びます。

ヘアサイクルは成長期退行期休止期の3つにわかれており、髪の成長に大きく関わってきます。

健康的なヘアサイクルの場合は髪の毛が1日約100本程度抜けると言われています。また、ヘアサイクルは生涯で15~20回ほど繰り返すのでその回数には限りがあります。

Ⅰ)成長期

成長期とはヘアサイクルにおいて髪の毛が成長する時期のことです。期間は約2~6年です。髪の根元にある毛母細胞の分裂が活発になることで髪の毛は成長します。

成長期は「早期」「中期」「後期」の3つの段階に分かれています。

早期:頭皮の下で新しい髪の毛が誕生し成長することで、古い髪の毛が抜けていく

中期:毛根がある程度成長して細い毛が頭皮に現れる

後期:しっかりした髪の毛に成長する

成長期の髪の毛は全体のおよそ90%を占めています。

また、成長期の間は髪の毛が1日で0.3~0.4mm成長するので、1か月で約1.2cm、1年で約15cm伸びます。

しかしこれは健康な人の成長スピードですので、今現在で髪の毛に悩まれる方は成長スピードが健康な人に比べると遅いことをご理解ください。

Ⅱ)退行期

成長期が終わると次に退行期に入ります。

退行期は髪の毛が成長しづらくなる時期で、期間は約2~3週間です。

成長期では毛母細胞が毛乳頭細胞から栄養を供給されて細胞分裂が活発になっていましたが、退行期になると毛母細胞と毛乳頭細胞が離れることによって栄養の供給が弱まります。

そのため、髪の毛の成長が遅くなってしまうのです。

この時期は髪の毛が抜けやすくなっており、ブラッシングなどで髪の毛が簡単に抜けてしまいます。

また、退行期の髪の毛は全体のおよそ1%を占めています。

・休止期

退行期が終わると次に休止期に入ります。

休止期では毛乳頭細胞からの栄養が毛母細胞へ供給されなくなるので、髪の毛の成長が完全に止まってしまいます。期間は3~4カ月です。

この期間は髪が抜ける準備に入る一方で、奥では新しい髪の毛を製造する準備を始めます。

そのため、成長期になって新しい髪が伸びてくると古い髪は自然に抜け落ちるのです。

また、休止期の髪の毛は全体のおよそ10~20%を占めています。

 

いかがでしょうか。

大体の流れはご理解頂けましたでしょうか。

改めてお伝えさせていただきますが、上述のヘアサイクルの期間は健康な人の目安になります。そのため薄毛でお悩みに方はこの期間とは異なります。

具体的にどう異なるのかというと、成長期が短くなり休止期が長くなります

そうなると起こることとして、髪の毛が成長(太く・長く)する前に退行期に入り、そのまま休止期に入るといったことです。

するとまだ未熟な細く柔らかい毛が多くなり、薄く見えることになります。

これが「ヘアサイクルの乱れ」です

では何故このような「ヘアサイクルの乱れ」が起こるのかというお話は別ブログにて解説させて頂きますので、是非そちらもご覧くださいませ。

「ヘアサイクルの乱れの原因」についてのブログはこちらから⇩

ヘアサイクルが乱れる原因

 

ここまでヘアサイクルのお話をさせていただきましたが、本題の「育毛ってどのくらいで効果がでるの?」の話に戻ります。

結果として、育毛治療を始めるタイミング次第で大きく変わります。

おそらく広告などで見る「3カ月で!」というのはたまたま始めたタイミングが成長期の時だったということが考えられます。

例えば育毛を始めたタイミングが休止期の最初だったとすると、休止期の約3カ月は生えてきません。これは健康な人でもそうです。休止期は名前の通り、頭皮が休止しています。

そしてその後、成長期に入っても健康な人でも2~6年かけて成長するため、頭皮環境に何か問題をかかえておられる方では、1ヶ月や半年で劇的に効果を実感するのは難しいと思います。

よく見れば産毛が生えているというのは分かりますが、他人から認識されるのはまだ難しい段階です。

また女性に多いのが、ホルモンバランスの乱れが原因となる薄毛ですが、内部環境が整うのにも約3カ月という時間がかかります。

特に産後にホルモンバランスは乱れやすいですが、大きく環境の変化があることは否めませんので、何も処置しないと3カ月以上かかる場合も可能性としては大きくあり得ます。

今すぐにでもという患者様にはつらい現実だと思いますが、嘘は言えません。ご理解ください。

 

では、休止期の間の施術が無駄なのかと言われれば、決してそうではありません

成長期にしっかりとした髪が生えるように準備しておく必要があります。頭皮の環境を整えておくことが大事になります。

ちなみに頭皮や髪の毛の見て診断をしたからといって今が休止期なのか成長期なのか退行期なのかは正直わかりません。

これは前田鍼灸院の実力不足というわけではなく、髪の毛1本1本でそれぞれ違います。

そのため、期の判断はほぼほぼ不可能ということになります。

 

しかしながら、今お話しさせて頂いたのは、どちらかと言えば「発毛」に近いお話になります。

例えば額の「生え際が後退してきた」など、髪が生えていない部分に生やそうとするのはどうしても時間がかかります。

ですが、「髪のボリュームが無くなってきた」や、「生えてはいるけど細いから頭皮が透けて見える」などの細毛の場合は、今ある髪に栄養を与えることで改善は見込めます。

そのため、「生やす」よりも効果の実感が早いこともあります。

当院では、施術はもちろんながらホームケア用のノンシリコンシャンプーやトリートメント、自宅でも汚れを綺麗に落とすクレンジングセラムなどをご用意しておりますので、

そちらをしっかりとして頂ければ効果発現に拍車をかけることも期待できます。

 

 

 

ここまでお話させていただきましたが、育毛の効果発現は全てこれに準ずるわけではございません。

人それぞれで違うということはご理解頂きたいと思います。

当院では2週間に1回ペースを目安に来院していただいておりますが、その場合だと月に2回になります。

では残り約28日をなにもせずに過ごすとなると、早く効果を発現させることが難しい部分もございます。

患者様ご自身のホームケアも大事となります。

別のブログにて、「ヘアサイクルの乱れる原因」なども解説させて頂きたいと思います。

長くなりましたが、最後までご清覧ありがとうございました。

前田

 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

「育毛鍼」ご体験